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職業選択の自由

そう。スイスでは、予想もしなかった人にお世話になりました。
友達Sarahの彼氏。学生寮で生活する学生。
必要となれば何でも自分で作ってしまう たくましく優しい青年でした。
細身の体なのに、25キロ以上あるような私のトランクを 軽々と持ち上げ車に乗せてくれた。

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                                     Bern St., Switzerland

将来何になりたい?と聞いたところ、Wood engineer だと教えてくれた。
ウッドエンジニア・・・?どんなことするの~?
それは・・・それぞれの木材が どのような特性を持ち、
どのような用途に向いているかなど考えていく人、らしい。
彼の家は農家だから仕事はあるのだけど、どうして興味を持ったの?と聞くと、
現在、スイスで取れる木の資源を 自国の建築物に使おうというプロジェクトを
政府が行い始めたらしく、そのための人材がこれから必要とされるという助言を
父親から得たんだそう。威厳のある父親みたいでした。
そのプロジェクトの一環がこのベルンの駅のような建物だ というのです。
だから、これからその勉強をしていくと。
ここはベルンに行ったとき取ったもの。とても綺麗な駅でした。
鉄とコンクリートの駅ではなく、スイスの山小屋のような木の優しさを感じる駅。
こんなカーブ 木でつくるの大変でしょうね。技術者が必要なわけです。
夢だけでなく現実味がある将来の話。頼もしい人です。

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スイスの友達から受けた印象は、地に足つけてよく働いているなというもの。
そう感じたのは、私が何がしたいのか・・彷徨う日本人の若者だったからかもしれません:-)
それは生活するために働く という基本的なことを考えさせられました。
スイス人が口を揃えて自己紹介の際に使っていたのは、apprenticeshipという言葉。
スイスの教育システムは、日本とは異なり、
15,6歳から自分の生きる道、何を仕事とするか、職種を選択を迫られる。
中学教育後の制度として、アプレンタシップを前提とした昼間定時制と
4年生のギムナジウムを中心にした全日制とに分かれ
アプレンタシップをする場合、職業訓練課程として職場と学校両方に通います。
友達によると、週に4日働いて、1日学校に行き その職業について学んだそう。
カントンによって 多少ことなるようです。
ドイツと同型の教育システム。ギルド制の歴史と制度から来ているんですね。

大学進学には、ギムナジウムに行くことが基本なようですが、
アプレンティシップの修了書で大学の一分野で進学し、現在勉強中という友達もいます。 
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日本では高校進学する頃から 仕事を体験しながら学んでいくので
20才にもなるとそれはしっかりしてる人が多いわけです。
途中で道が違うと思ったとき、変更するのが難しいという問題もあるようですが。
若いときに学びながら働き、 お金を稼いで 生活することを身につける。
彼らの話からは、勉強と働くことが とても近く感じられました。
教養としての学問はとても大事だと思いますが、
働くことで学ぶことは、職業の専門知識ということだけでなく、人間関係や世の中で生きていくための力をつけることになっているのではないかなぁと思いました。
 一時期、「生きる力」をつけるための教育というのが取り立たされていましたが、今はどうでしょう?
by horaice | 2006-11-30 23:26 | SWITZERLAND - CH - | Comments(2)
Commented by eaglei at 2006-12-11 20:58
教育について、いろいろ考えさせられました。
ブラジルも同じような教育システムを持って、上手くやっているようですね。日本もこれらのやり方を手本にする必要があると思います。
スイスは進んでますね~!
Commented by horaice at 2006-12-11 21:39
○eagleiさん☆
ブラジル~そうなんですね。スイスは 国や企業自体が 人を育てることを大切にしているのかもしれませんね。
日本の教育システム・・・社会の教育に対する意識を高め、どういう人材を育てていくのかという問いを立てるところから 始めなければならない気がします。
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